マーケティング施策の中でSNSを活用する際、しばしば見かけるのが“猫”をテーマにしたコンテンツです。InstagramやTikTokを中心に「かわいい」「面白い」といった反応が飛び交い、気づけば何十万という“いいね”やシェアがつくこともしばしば。“猫”は単なるネット上の癒しだけでなく、実はマーケティングにも貢献し得る存在です。
猫コンテンツがSNSで拡散されやすい理由

可愛さと面白さの融合
猫は人類にとって非常に身近なペットでありながら、独特のユーモアを備えた存在です。気まぐれな行動や想像を超えるアクロバット、時には人間臭い仕草を見せたりと、見ているだけで癒しと笑いを提供してくれます。こうした「可愛い+面白い」要素は、人々の感情を大きく動かし、シェアやコメントといったエンゲージメント行動につながりやすいと考えられています。
感情を刺激する力
SNS上のコンテンツが拡散する理由として挙げられるのが、「感情の振れ幅の大きさ」です。特に喜びや驚きを感じやすいコンテンツは、アルゴリズムの後押しも相まって多くの人の目に留まりやすいことが分かっています。猫が見せる行動は、そのちょっとした仕草だけで人々を笑顔にしたり、「こんなところに入るの?」と驚かせたりするため、SNS上でも自然発生的に拡散していく傾向が強いのです。
プラットフォームアルゴリズムとの相乗効果
猫コンテンツの拡散力を後押ししているのが、SNSのアルゴリズムです。たとえばInstagramでは、ユーザーが「猫動画を視聴する → いいねをする」という行動を取ると、そのユーザーのタイムラインに同種のコンテンツが優先的に表示されるようになります。これが連鎖的に働き、結果的に猫関連ハッシュタグ(例:#catsofinstagram)は2億以上もの投稿が集まるほどの大規模コミュニティへと発展しました。ある程度アルゴリズムの動向を掴んでおけば、広告費を抑えながらも高いリーチを狙える可能性が大いにあります。
事例紹介:ファミリーマート
毎年2月22日の「猫の日」に合わせ、「ファミリ~にゃ~ト大作戦!」として猫モチーフ商品(スイーツ・お菓子など)を多数展開。人気イラストレーター「mofusand」や「Coony」とのコラボ商品、SNSキャンペーンや保護猫支援も同時実施しました。
話題化
「猫デザインが可愛すぎる!」とSNSで拡散。発売初日の数日間で猫スイーツの売上が2億円超を記録するなど、一時的に在庫切れが起きた店舗も。
成果
限定コラボ商品は前年の230%を売り上げ、特に20~30代女性の購入比率がアップ。さらに猫保護活動への寄付企画との組み合わせが高評価を得て、ブランドイメージ向上に寄与。
マーケ的考察
猫好きの熱量は非常に高く、SNSで映えるビジュアルとの相性が抜群。また「今だけ」「コラボ・限定」という要素が購買意欲を高め、大きな売上増を狙える好例です。ペット関連企業でなくとも猫コンテンツで十分な効果が得られることを示しています。
事例紹介:ピザハット「ネコ店長シリーズ」
日本のピザハットがYouTubeで公開した連続動画企画。架空のピザハット店を4匹の猫“店長&スタッフ”が運営する設定。電話対応や配達を頑張る姿がコミカル。
話題化
猫が掃除ロボット・ルンバに乗って配達するシーンなどが海外含めSNSで拡散され、累計再生数は数百万回に。海外メディアも「日本の猫ピザ店が可愛すぎる」と紹介。
成果
直接的な売上データは非公開だが、宅配ピザチェーンとしてSNSやニュースサイトで大きく話題化。広告費を抑えたWeb動画でもブランド露出が急増し、新規客への訴求が成功。
マーケ的考察
ピザと猫にはほとんど関連性がないが、その意外性こそが話題を呼び、拡散を促進。猫ならではのユーモア&癒しは、従来ファン以外にも拡散させる力をもっています。
なぜ猫コンテンツは効果的? 共通点から見る3つのポイント

1:ユニバーサルな可愛さと安心感
どの事例にも共通するのは、猫の持つ「ほぼ全方位から好かれやすい」魅力です。政治的・社会的に中立で、かつエンタメ要素として通用するため、拡散リスクが低いことがポイント。結果、「悪目立ちしない形」で圧倒的な認知獲得が可能になります。
2:感情的アプローチでブランドイメージを刷新
単なるキャンペーンではなく、人々の心を動かす物語性やユーモアを融合させることで、企業・ブランドへの好意度が高まりやすいことが各社の成功を支えました。品特性を猫で表現したり、ユーザー参加型で盛り上げると、消費者と企業のつながりが一段と深くなります。
3:SNSやメディアとの親和性
猫に関連した画像・動画はSNS映えしやすく、メディアも取り上げやすい傾向があります。たとえばピザハットやファミリーマートの事例では、比較的低コストの施策でも結果的にニュースサイトやテレビまで波及し、広告費以上のPR効果を生んでいます。“バイラル”を狙うなら猫は強力なフックとなるわけです。
まとめ:猫コンテンツとマーケティングの無限の可能性
SNSでの猫コンテンツの拡散力は、可愛さや面白さがもたらす感情的な揺さぶりと、プラットフォームのアルゴリズムによるサポートが相乗効果を発揮している結果だと考えられます。マーケターとしては、単に“バズ”に飛びつくのではなく、「ブランドメッセージや顧客体験をいかに豊かにするか」を念頭に置きながら、猫コンテンツの魅力を最大化することが求められます。猫がもたらす笑いと癒しを、ぜひ次のプロモーション戦略に取り入れてみてください。
主要参考文献一覧
当記事で使用したデータは、あくまで複数の調査結果・報道を組み合わせて総合的に引用しています。特に金額規模(円換算)や前年比などは為替レートや発表タイミングで変動しますので、更新タイミングにご注意ください。